投稿者 ideanap | 11月 9, 2008

15分間昼寝術

翻訳ではあるが、おそらく日本語の出版物としては唯一の昼寝の知的生産性向上効果について正面から取り上げた書籍。

仕事も勉強もはかどる 15分間昼寝術

Amazonでの評価ポイントはそれほど高くはないが、この領域に関心を持っている者なら必読の一冊だと思う。Amazonの書評に昼寝がよいのはわかるがだからなんだ(So what?)というものがあったが、このBlogではそんなだからなんだに積極的に取り組んでいきたいと思う。

昼寝について基本的なことはかなり網羅されている。著者はフランス人でやはりシエスタしかり昼寝文化はラテン文化圏から発信されるものなのだろうか。いくつかの興味深い記述としては、以下のとおり。

昼寝の姿勢について言及がある。例として挙げられているのは、横になった姿勢、御者の姿勢、自動車、職場や学校、地下鉄。御者の姿勢というがなんとも異質。要は座ったままの姿勢で寝るということらしい。ちなみに御者というのは馬車のドライバー?のこと。職場や学校の項も興味深い。いわゆる机に対して突っ伏した状態で寝ることが勧められているが、それよりも3時間以上の試験では、途中で短時間の昼寝を取ることを勧めている。職場や学校では昼寝=怠惰イメージが根強い。IdeaNapではNappingスタイルについても研究していきたい。

昼寝手帳をつけることを勧めている。毎回の昼寝を記録につけるということらしい。記録内容は、時間、長さ、姿勢、眠りの深さ(10段階)、満足感とその後の活力(10段階)、その夜の睡眠の長さなどだそうだ。確かに生理現象を記録することによって客観視することは、新しい発見を促し次の自らのアクションにつなげるという意味ではよさそうだ。記録ダイエットや、朝起きた時間の記録についてツールも登場しているし、この領域は昼寝についても当てはまるだろう。

第4章は「昼寝が引き出す創造力」はまさにIdeaNapのコンセプトと同じ。ただしそのボリュームは200ページの書籍の中のわずか14ページに過ぎない。しかし、この14ページにはIdea Napとしても参考になることがいくつか書かれている。著者は睡眠中の脳の情報再編集機能に注目している。

眠っているあいだに、われわれの精神は日常の束縛から解き放たれる。目や耳といった感覚器官を通じて外から来た情報を処理するかわりに、脳は内部で再編集作業を行う。この作業から、新しいアイデアや夢が出てくるのである。

これこそまさに短い睡眠が発想に結びつくことのヒントの一つだと思う。この領域をさらに理論的、実践的に深める必要がある。

加えて歴史上の昼寝信奉者についても言及している。これもまたIdea Napコンセプトを深堀りしていくにあたって参考になる貴重な情報である。ここで挙げられているのは、ニュートン、ナポレオン、エジソン、ヴィクトル・ユゴー、ケクレ、ペンジャミン・フランクリンなどだ。ナポレオンは夜は短眠だったが、昼寝の習慣があったらしい。その他、昼寝から生まれた発見や発明としては、エジソンの発明、ペニシリン、レイノルドのボールペン、ボーアの原子、メンデルの法則、ケクレによるベンゼン環の発見などが挙げられている。

この本の中でもう一つ気になる記述は、日本の会社は昼寝に好意的であると述べている点だ。

日本の例を見てみよう。日本には、休憩室を用意して、従業員が休み時間に眠れるようにしている会社がある。それが経済効率を妨げているようには思えない。その反対だ。ヨーロッパでは、通信・情報関係の会社がこの領域では進んでいる。たくさんの会社で、企業委員会がヨガやリラクセーションのコースを提案している。

著者が日本のどの側面を見てこの記述に至ったか不明だが、そんなに好意的な印象はないような気がするのだが。


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